平成26年8月7日
高原山の山ふところに抱かれた塩谷町は、高原山から飲料水、農業用水、農林産物、空気(酸素)など言葉に言い尽くせないたくさんの恵みを受けてきた。
平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質は、町内全体に飛散し、その風評被害から、観光来客数は減少し、物品の売り上げは減少したまま低迷しており、被害は甚大である。
その被害も回復しないまま、突然、平成26年7月30日環境省副大臣が塩谷町を訪れ、指定廃棄物最終処分場を建設するための詳細調査候補地として、町内国有林を一方的に示した。
放射性物質飛散による風評被害からの再起を図ろうとしていた町に対して、このような一方的な提示をすることは、絶対許すことはできない。
指定廃棄物最終処分場建設は、風評被害により町の農林産物など、すべての商品の売り上げを減少させ、人口減少が叫ばれるなか、町の人口を加速度的に減少させる原因となり、塩谷町存続の危機が目の前に迫ることになる。
また、荒川、ひいては那珂川の上流にあたる高原山上流部に指定廃棄物最終処分場を建設することは、下流の多くの方々に影響を及ぼすことになる。
尚仁沢湧水を全国名水百選に選んだ環境省が、尚仁沢湧水にほど近い国有林を指定廃棄物最終処分場建設詳細調査候補地として選んだことは、甚だしい矛盾である。
私たちは、高原山の恵みやその自然を守り、子々孫々に伝えていかなければならない責任がある。
その前提となる、私たち町民の平穏で安全安心な日常生活を続けていくことが、不可能な状況になることは目に見えている。
したがって、町民総ぐるみで反対の意思を固め、指定廃棄物最終処分場建設候補地の前提となる詳細調査候補地選定の白紙撤回を求めていくことを、ここに決議する。